海外薄毛研究レポート

薄毛研究の最先端!毛髪は人の手で作り出せる

皆さんこんにちは

薄毛対策&白髪対策&頭皮ケア専門美容室andgray(アンドグレイ)です。

世界はコロナ禍を経験し、

肉体的にも精神的にも今までに感じたことがない強烈なストレスを受けましたね。

それにより白髪や抜け毛などの毛髪に関する事で悩む人々が急増しており、

頭皮ケアや薄毛予防ケアに対する関心はより一層高まっています。

一方で最先端の抜け毛や薄毛の研究は世界で驚くべき進化を遂げています。

近い将来もう薄毛で悩むことが無くなるかも?しれません。


目次

髪の毛にも”一生”がある”


【毛周期サイクルを知る】

“抜け毛”と聞くと、

ある時突然毛髪がスポっと毛穴から抜け落ちるイメージを持たれていませんか?

無理矢理に毛髪を引っ張って抜いた場合を除き、

髪が抜ける時には毛根の周辺にある細胞たちによって、

髪が抜けていくように様々な”指令”を出されているんです。

毛包内の幹細胞から出される指令の内容はとても複雑で多岐に渡り、

毛髪が毛穴のなかで誕生してから正常に抜け終えるまでの約6年(女性平均)のあいだ、

その時に必要な指令を幹細胞から受け取って抜けて、また生えてを繰り返しています。

【抜け毛予防は毛周期サイクルを正常に保つこと】

ふいに抜け毛を見つけると偶然抜けたように見えますが、

自然に抜けた毛髪は私たちが気付かないうちに

毛包内で数ヶ月前から抜ける準備をされていた結果なのです。

なんらかの影響で毛周期サイクル自体が短くなってしまった事による抜け毛や、

毛髪が抜けてから次の毛髪が作り出されるまでが長がったり、

作り出されない状態が続くと薄毛の原因になります。

”抜け毛””薄毛”の原因は複雑で男性型・女性型、その複合型とあり、

薄毛対策をする際には自分の頭皮がどのような状態にあるのかを突き止める事ができれば、

良い結果につながる可能性が高まると言えます。


毛包を眠らせ続ける細胞を発見


【終わらない休止期の謎を解明】

毛包内の幹細胞から出される“指令”の解析は日々世界中で進められています。

ここの解明が進めば進むほど、薄毛対策に有効な成分や製品の発展に繋がるからです。

コロンビア大学医学部皮膚科のアンジェラ・クリスティアーノ博士が率いる研究チームは

マウスの体毛を使用した実験で、

毛周期サイクルの終盤で訪れる【休止期】において新しい発見をしました。

休止期とは毛髪が正常に抜けた後から次の毛髪が誕生するまでの期間のことを示します。

約6年も毛髪を育て続けた毛包にとって次の毛髪を育む為の大切な準備期間です。

しかし、そのまま毛包の休眠状態が継続してしまい、

なかなか次の毛髪が誕生しない状態に陥ってしまう事があります。

つまり空っぽの毛穴になってしまうということです。

今回の発見は休止期のまま幹細胞を休眠状態にさせてしまう細胞の存在を

初めて特定することに成功しました。

【発毛に繋がる新経路を発見】

《トリコファージとオンコスタチンM》

新しく発見された細胞は”トリコファージ”と名づけられました。

トリコファージから作られている

毛包内を休眠状態を保ちづけてしまう”オンコスタチンM”と呼ばれる物質により

休止期から継続して毛包が休み続けるということが分かったのです。

《男性ホルモンの壁》

休眠状態の毛包を目覚めさせて、再び発毛を促す為の対処として

現在では男性型の脱毛症に使用できる唯一の薬である

”フィナステリド”と”ミノキシジル”という薬品がすでに存在しています。

しかしこれらは、男性ホルモンを経路として作用することに重点が置かれているため、

副作用の懸念から臨床実験もほとんどが条件を満たした男性に限定されてるため限界がありました。

今回見つかったトリコファージをターゲットとして

毛包を休眠状態にさせるオンコスタチンM という物質が作られるのを抑えることができれば、

毛周期サイクルを再び正常に戻す事が出来る。

さらにこれまでハードルを高めていた男性ホルモンとは別の経路へのアプローチなので

副作用も少なくなり、女性型脱毛向けの薬剤の開発や、

薄毛治療への大きな扉が開くことになるでしょう。


毛髪は移植から作る時代へ


【人工の天然毛髪】

同じくコロンビア大学の研究チームはトリコファージの発見を活用して

”毛髪の畑(ヘアファーム)”を作り出すことにも成功しました。

同じヒトの別の場所から毛包ごと移植する治療は現在も行われていますが

いわゆる”お皿の上”でヒトの毛包を完全に作り出してしまったのです。

マウスを使った研究では、毛根から採取した細胞を培養する事で

何年も前から毛を増やすことが出来ていた、という事ですのでこれにも驚きです。

ヒトの細胞を使って培養するには一定の抵抗力がかかりこれまで上手く行かなったのです。

では、どのようにヒトの毛髪は”お皿の上で”作られるのでしょうか?

当初、研究者のクリスティアーノ氏は

液体を垂らしたシャーレの中に細胞の小さな球体を作りマウスに移植してみたところ

結果は予測不可能なものとなりました。

ある人の細胞は新しい毛髪を作り出すことが出来が、別の人の細胞ではそうならなかった。

全く安定した結果にはならなかったのです。


3Dプリンターの活用で人工毛包を作成


【人工毛包の中で発毛するヒトの毛髪】

そこでクリスティアーノ氏の研究チームは3Dプリンターを駆使して、

毛包の成長によってより自然に近いごくごく小さな環境を作り出してみました。

出来上がったのは、ペットボトルのキャップほどの大きさの台座に

0.5ミリメートルほどの細さの突起がならんだプラスチック製の型です。

ちょうど生花で使用する剣山のような形をした型に

ヒトの皮膚を培養させて土壌を作ります。

そこへヒトのボランティアから採取した毛包の細胞を埋め込み

さらにケラチンを生成する細胞を組み込みました。

次に登場するのが先にご紹介したオンコンスタンチンMを含む

毛包を休眠状態にしてしまう因子を阻害する製薬を与え発毛を促しました。

すると約3週間後に人間の毛包が形成され、毛髪を作り始めたのです。

人工的に本物の毛包を作り出し、そこから本当に毛が生えてきたということです。


毛髪移植の可能性を広げるヘアファーム


【薄毛治療への発展】

実際に悩みを持つ人々の元へ届けられるにはさらなる改善が必要となりますが

この方法で作られた人工のヒトの毛包は、

毛髪再生手術を必要とする患者のために

新しい毛包を無制限に生み出すことが出来る可能性があります。

現在の毛髪再生手術では、

後頭部から前頭部と頭頂部へ約2,000個の毛包を移植する必要があります。

そして条件を満たした男性患者様のみが対象となります。

【これまでの障害を超えていく】

ヘアファームという新しい方法は

これまで副作用の存在により適応できなかった女性を含む

より多くの悩みをかかえる人々に新しい育毛手術を開放することを可能にします。

そして現時点では、本物のヒトの毛包が培養できないことがハードルとなり

新しい育毛剤を開発するうえで大きな障害となっています。

現在は男性用の脱毛症治療薬として承認されている”フィナステリド”と”ミノキシジル”も

最初は別の治療薬として研究されていたものであるため

ハイスループットスクリーニング(短時間で高効率の試験)研究で見つかった薬剤ではないのです。

ヘアファームを活用したハイスループットスクリーニングが可能になれば

製薬会社にとって新しい育毛剤を試験する際の可能性をうんと広げる事ができます。

米国内だけで約3,000万人の人々が薄毛で悩んでいると言われています。

女性はもちろんのこと、生え際が後退したままの若い男性も含まれます。

ヘアファームと新しい育毛剤の開発によって

毛髪再生手術はもはやドナーの毛髪の数によって制限されることは無くなるのです。

新しい発見はまずは医療の現場から。

いつの日か私たち美容の世界にも薄毛の悩みから開放される日が来るのを

楽しみに待ちたいと思います。

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