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白髪の原因”ストレス”はどのように白髪を引き起こすのか

皆さんこんにちは白髪対策&頭皮ケア専門美容室andgray(アンドグレイ)です。

ストレスが白髪の原因になるのは皆さんも聞いたことがあると思います。

マリーアントワネットが一晩にして

真っ白な毛髪に変化したという言い伝えは有名な話です。

処刑される恐怖による強烈なストレスから

たった一晩で白髪になってしまったというのです。

ストレスが白髪を引き起こすとき、

毛穴の中では一体なにが起こっているかご存知ですか?

ただ髪が白くなるだけ、の現象には留まらないストレスとの複雑な関連があります。


目次

ストレスホルモン”コルチゾール”と毛髪の関係


コルチゾールとは?

人の体内では心身にストレスを感じると、

副腎皮質から”コルチゾール”と呼ばれるホルモンが分泌され、その量が急増します。

コルチゾールの役割には、

代謝の促進や抗炎症・免疫抑制などの働きがあり

人間の生体には不可欠とされていて

瞬間的なコルチゾールの増加は問題はありません。

ですが慢性的なストレスにより長期間コルチゾールに晒されると身体の様々な機能に影響を及ぼします。

毛髪内へと蓄積する

長期に渡るコルチゾールの影響の1つには

脳の海馬を萎縮させるという事も分かっていて、

うつ病患者の健康状態を調べるとコルチゾール値が高いことなどからも、

コルチゾールは心のストレスと身体を結ぶ重要な役割を担うホルモンであると考えられています。

長期間のストレスによって分泌された濃度の高いコルチゾールは、

体内を循環した後に毛髪内へと蓄積されていきます。


コルチゾール値から産後うつを予測する


妊娠中のストレスを数値化する

2017年グラダナ大学で行われた研究では

妊娠期間中の女性の毛髪内に蓄積したコルチゾール値から、

産後うつの可能性を予測するという内容の研究が行われました。

PLOS ONE誌にも発表された研究結果によると、

産後うつを発症した女性の毛髪コルチゾール値は、

発症していない女性に比べて妊娠中ずっと高く、

統計では妊娠期間全4期としたうちの

第1期と第3期に特に顕著に示されていました。

つまり産後うつを発症した女性は、

妊娠中に何らかの原因により強いストレスを受け続けていたという事が、

感情だけでは無く毛髪に痕跡が残り数値化されたということです。

時期で異なるストレスの種類

産後うつ病を発症した研究に参加した女性は

妊娠初期に身体的なストレスレベルが高く

第2期では身体的、強迫観念、抑うつ、不安のストレスレベル、

第3期では妊娠時特有のストレスレベルが高いことが判明しました。

これらの症状はすべて、将来の産後うつ病の指標となり予防が期待できると

研究の主任であるマリア ・ イザベル ・ ペラルタ ・ ラミレス氏は考えています。

また母親の心理状態が胎児にどのような影響があるかも研究されているそうです。

白髪の原因としてストレスは広く知られていますが、

いまだに科学的には根拠に乏しく証明されていません。

しかし白髪になる前の状態からすでに

身体と心が受けたストレスの影響と深い関係があるのにはとても驚かされますね。

ではコルチゾール値が高いから髪は白髪になるのでしょうか?

研究ではコルチゾール=白髪ではないという研究結果が出ています。


副腎皮質無しでも白髪に


2020年ハーバード大学での研究では

コルチゾールが白髪を誘発するという仮説の元に、

マウスを使用した研究が行われました。

結果は大変驚くべきことに、

マウスからコルチゾールを作り出す副腎皮質を切除してコルチゾールを分泌できないようにしても、

ストレス下では毛髪は白髪になったのです。

コルチゾールが直接白髪の原因ではないとされ、

研究者達は様々な要因を排除していくなかで交感神経系に着目しました。

交感神経は全身に張り巡らされた神経で、

皮膚の毛包の一つ一つに枝分かれしています。

ストレスを感じることで交感神経から“ノルエピネフリン”という化学物質が放出されます。

それが近くのメラノサイト幹細胞に取り込まれることを発見したのです。


交感神経によるメラノサイト幹細胞の枯渇


毛包の中にはメラニン色素を作るための幹細胞があり、

毛髪が生成される段階でまだ色素を持たない毛髪にメラニンを送り着色する事で

私たちの毛髪には色が付きます。

今回の発見は交感神経から出るノルエピネフリンを

付近のメラノサイト幹細胞が取り込むことによって

幹細胞が過剰に活性化する事をつきとめました。

永久的なダメージ

そしてメラノサイト幹細胞は枯渇してしまうと

永久的にメラニンを作り出す事が出来ずに着色されていない毛髪、

つまり白髪が生えてくる、ということです。

これが一般的に認識されているストレスが白髪の原因であると言われるとき

実際に毛包で起こっている科学的な反応なのです。

しかしながら、まだまだ表面的な内容しか解明されていないのが「白髪」です。

一部の白髪はストレスを軽減することにより再び着色することが認められた研究結果も出ていますが

必ずしもストレスを減らすことで髪が通常の色を取り戻すわけではありません。

原因となるアクションによって身体の中では神経や栄養面が影響を受け

さまざまな反応が複雑に連鎖しあった結果で

毛髪が色素を補給できない状態で生成されているとい言えます。

数学的な白髪への領域

研究者の1人は、「こうした研究によって出された数学的なモデリングによれば

髪が白髪になるにはある数値的な領域に達する必要があると考えられます」

と述べています。

白髪が生え始めると言われている中年期には、

年齢や身体的なその他の要因によって細胞がその領域に近づくいてくる。

そのような状態のときにストレス等で領域を超えて白髪へと移行していきます。

しかし長年白髪であった70歳の人がストレスを減らす事で髪が黒くなったり

10歳の人がストレスを増やす事で白髪への領域へと近づくとは考えにくいとされています。

マリー・アントワネットの髪のような言い伝えは

実際には起こりにくいと考えるのが現段階では妥当のようですが

科学では説明のつかない現象がまだまだ”白髪”には隠されているのかもしれませんね。

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