海外グレイヘア最新レポート

白髪だけではないタバコの影響

皆さんこんにちは

薄毛対策&白髪対策&頭皮ケア専門美容室andgray

(アンドグレイ)です。

白髪の原因として挙げられる「喫煙」タバコ。

なんとなくタバコは髪にも悪いと知っているけど具体的にはどんな影響があるかご存知ですか?

30代よりも早く白髪が現れる早期白髪にとって、

タバコからの影響が大きく関係しているようですが

実はタバコは白髪というよりも、

毛髪全体に影響を与えている事が調べられています。

今回はタバコと白髪の関係を探る海外でも数少ない研究をご紹介いたします。


目次

喫煙と早期白髪


ヨルダン大学医学部が2010年に行った研究から、

”タバコと早期白髪には関係があると言える”という結論が出されました。

タバコが悪いらしい、というようなイメージではなく

きちんと検証して証拠されたデータです。

対象を喫煙に限定する困難な研究

研究はヨルダン国内から18歳から65歳までの

平均年齢44歳の男女207人の協力者を集めて行われました。 

研究者のデータ測定は様々な体質や年齢などの個人差を均しながら割合を出していく

”多重ロジスティック回帰”という方法を用いて研究の数値が出されていきます。

白髪が最初に現れた年齢、身長、体重、肥満度指数(BMI)、

ウエスト周囲径、空腹時血糖値、収縮期血圧、拡張期血圧を測定して

タバコ以外に考えられる要因をフラットな状態のデータにします。

協力者207人のうち約半数の104人を

30歳以前に白髪が初めて出現した【早期白髪グループ】

他の103人を【正常白髪グループ】として分けました。

ちなみに協力者の初めて白髪が生えた年齢の平均は31歳で

その差はなんと15年もの個人差があったそうです。


測定により割り出された白髪と喫煙の関係


【早期白髪グループ】の中の喫煙者の割合は40.2% 。

一方、【通常白髪グループ】の中の喫煙者は24.7%。

多重ロジスティック回帰により算出すると2.5倍で

喫煙により早期での白髪を発症はしやすいという結果になり、

早期白髪の発症と喫煙との間には有意に関係があることを示すものになりました。

研究数が少ない分野

白髪とタバコの関係を調べる研究は、

世界的にも非常に少なく中東にも存在しないそうです。

特に早期の白髪というのは(以前の記事にもあるように)、

自己免疫甲状腺疾患や悪性貧血などの特定の自己免疫疾患や、

ウェルナー症候群という早発老化症候群に関連するとされており、

決定的に結論づけるには複雑さを極めています。


吸った分だけ髪に残るニコチン


喫煙しなければ白髪や毛髪への影響は少ないと安心できるかといえば、

まったくそうでも無さそうです。

タバコは吸わずとも、煙にさらされる環境に居ることで

毛髪内にニコチン・コチニン(ニコチンが代謝された後のもの)が

検出されるという研究が報告されています。

髪はテープレコーダー

毛髪は平均して1ヶ月に1センチ伸びます。

喫煙者から採取した根元1センチの毛髪内部に含まれるニコチンの濃度は、

その1ヶ月に喫煙したタバコの本数分と一致する事が分かっています。

さらに驚くことに、ニコチンは毛髪の軸に沿って、

まるでデープレコーダーのように”刷り込まれ”ている状態であるというのです。

このように毛髪内からニコチンが検出されるのを初めて発見されたのは1983年のことで

なんと日本人の研究者たちが発見しています。


ニコチンは母体から新生児へ


カナダのトロントでは、

母親と新生児の間で子宮を通して喫煙の影響が確認できるという研究が行われ、

結果はショッキングなものとなりました。

タバコを吸う母親と新生児、

それぞれの毛髪に含まれるニコチン濃度に関係がある事が判明したのです。

喫煙した本数は関係がないことが分かっていますが、

母体から胎内でニコチンに曝露されていた証拠であると言えます。

しかも喫煙しない母親と新生児の毛髪ニコチン濃度と比べると、

濃度がとても高いことが分かり、

これは同じような他の研究でも同一の結果が見られるそうです。

子供の髪に刻まれるニコチン

1歳から3歳の子供94人を対象にしたノルウェーでの研究によると、

1日10本以上のタバコの煙に晒された子どもの毛髪ニコチン濃度は

晒されていない子どもの12.4倍と明らかに高くなります。

10本未満のケースでは

晒されていない子どもの3.4倍であることも分かりました。

信じ難いことに

家の外で喫煙して子供のそばでは決して喫煙しないと答えた親も

喫煙しない親よりはるかに高いレベルで

子供たちをタバコの影響に晒していることが分かっているそうです。

ニコチンは細胞を透過して毛髄へ

タバコの煙を吸い込むと

ニコチンは毛包を含む全身に循環し吸収されます。

ニコチンは脂溶性であるため体内への分布量が大きく、

細胞膜を簡単に透過してしまいます。

ニコチンの濃度に合わせて自然的に全身に拡散され、

やがて毛包へたどり着いたニコチンは

成長中の毛母細胞に移動し

その後の角化の過程で毛幹の内部で強固に結合します。

つまりこの過程で髪の芯メデュラへとテープレコーダーのように刷り込まれていくというわけです。

この時、白髪と黒髪では白髪の方がニコチン濃度が低くなります。

これは毛球から髪のコルテックスに取り込まれるメラニンに対して

ニコチンが高い親和性を持つからで

ニコチンがメラニンにくっついた状態で毛髪内に取り込まれていくという事です。


毛髪バイオマーカー


タバコが白髪の要因となるのは、

ニコチンが交感神経を優位にさせ血管が収縮してしまうため

血流不足によりメラノサイトの働きが悪くなる事で、

メラニンを含まない白髪が生えてくると知られています。

今回の記事ではその証として、

喫煙によるニコチンは血管を収縮させるだけでは無く

全身を巡り毛母細胞に移動して、

最終的にはメデュラへと刷り込まれて体外へ排出されていく。

そしてそれは喫煙者本人だけではなく、

子宮を通じて新生児、小さな子供、

タバコを吸わない人々の受動喫煙の場合でも、

数値は喫煙者に比べて低くはなるものの

毛髪内部にニコチン濃度として残ることから、

喫煙の影響を受けているということが分かりました。

毛髪は疫学にとっての好材料

今回ご紹介した研究は”毛髪生理学”という分野での研究で

かなり複雑なことから、いまだ深く理解されていません。

毛髪バイオマーカーは、日々変わっていく身体からは分からない

その人の過去の健康状態を髪が記録していくことから、

将来は健康リスクに関する疫学の方でも注目されているそうです。

関連記事

TOP